養育費の用語辞典|債務名義・先取特権・法定養育費を生活の言葉で解説

養育費のことば辞典

最終更新: 2026年7月23日

養育費の情報を調べていると、聞き慣れない法律用語が次々に出てきます。このページでは、養育費保証や未払い対応でよく出る用語を生活の言葉で解説します。

債務名義(さいむめいぎ)

「強制執行(差押え)をしてよい」と国が認めた証明書のこと。養育費の場合、強制執行認諾文言付きの公正証書、調停調書、審判書、判決などが該当します。私的な離婚協議書は債務名義ではありませんが、改正民法(2026年4月施行)で先取特権が新設され、協議書でも差押えを申し立てられるようになりました。保証会社のプラン選びでは「債務名義の有無」が最初の分かれ道になります。

先取特権(さきどりとっけん)

他の債権者より優先して、また裁判なしで、相手の財産から回収できる特別な権利。2026年4月施行の改正民法で養育費債権に付与されました。取り決めを証明する書面(私的な協議書でも可)があれば、債務名義がなくても給与などの差押えを裁判所に申し立てられます。

法定養育費(ほうていよういくひ)

養育費の取り決めをせずに離婚した場合でも、法律が自動的に発生させる最低限の養育費。子ども1人あたり月2万円で、2026年4月1日以降の離婚に適用されます。標準的な養育費(算定表ベース)より低い「最低保障」なので、きちんと取り決めをする方が有利です。

公正証書(こうせいしょうしょ)

公証役場で公証人が作成する公文書。「強制執行認諾文言」を入れておくと、未払い時に裁判なしで差押えができる債務名義になります。作成費用は養育費の総額により数万円程度。多くの自治体で作成費用の補助(上限3万円程度)があります

強制執行(きょうせいしっこう)・差押え

裁判所を通じて、相手の給与や預貯金から強制的に養育費を回収する手続き。養育費は特別扱いされており、給与の2分の1まで差押え可能(通常の借金は4分の1まで)、さらに将来分もまとめて差押えできます。

履行勧告(りこうかんこく)

調停や審判で決めた養育費が支払われないとき、家庭裁判所が無料で相手に「支払いなさい」と勧告してくれる制度。強制力はありませんが、裁判所からの連絡というプレッシャー効果があります。調停・審判を経ていない(公正証書のみの)場合は使えません。

財産開示手続(ざいさんかいじてつづき)

相手の財産が分からないとき、裁判所に相手を呼び出して財産を陳述させる手続き。2020年の法改正で、虚偽や不出頭には刑事罰(6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金)が科されるようになり、実効性が大幅に強化されました。

第三者からの情報取得手続

裁判所を通じて、市町村や年金機構から相手の勤務先を、銀行から預貯金口座を調べられる手続き(2020年新設)。「相手の勤務先が分からないから差押えできない」という最大の壁を崩す制度です。

3者間契約・2者間契約

養育費保証の契約形態。3者間は受取人・支払人・保証会社の3者で契約する形(支払人の協力が必要だが保証料は安い)。2者間は受取人と保証会社だけで契約する形(相手の協力不要だが保証料は高め)。相手が協力的かどうかでプランを選びます。

ADR(裁判外紛争解決手続)

裁判所を使わず、認証を受けた民間機関で調停人(弁護士等)を交えて話し合う手続き。調停より速く(最短2週間)、非公開で柔軟。養育費について合意した「特定和解」の合意書は、執行力を持たせることが可能です。チャイルドサポート社は法務大臣認証の離婚ADR機関でもあります。

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